ユーコン川をカヌーで下る⑱ ホワイトリバー合流点を通過(7月29日)

要約

  • ホワートリバーの合流で水量は増え、流れも速くなる
  • 流れていないようで流れているので注意が必要
  • 焚き火に適さない木がある
  • シーフィッシュが釣れるのはこんな場所
  • ビーバー発見
ホワイトリバーの合流点

出発して3時間で支流ホワイトリバーの合流地点に着いた。
その名の通り、水の色が白い。
白色の砂が多く混ざっているんだろう。浄水器(ソーヤーミニ)のフィルターに頻繁に砂がつまり、こまめに清掃しなくてはいけなかった。

ホワイト川の上流では大雨が降っているのが見えた。

水量はさらに増え、流れが明らかに速くなった。
上陸してラーメンの昼食。ついでに小麦粉と水、イーストを混ぜてピザ生地を作る。分量は適当だが、日本でたまに作っていたのでその感覚を思い出した。

背後から迫っていた危険

雨が降り出したので急いで再出発。快調な流れの中で岸沿いの木々をどんどんと追い越した。

ユーコン川はこの周辺からいくつも分岐し、多くの中州ができていた。

ある時、分岐点に差し掛かったので、右の水流を選ぼうとした。懸命漕いだが、思うように右へ進まない。というか、景色が変わらない。

ふと振り返ると、すぐ後ろに大きな倒木があった。実は僕は左の流れに向かう水流の上にいて、カヌーはフェリーグライドしていたのだ。

フェリーグライドはカヌーが流れの上にある時、斜め上流に向かって漕ぐことで、真横に進むという技術。すなわち、カヌーは自分が見ていない方向に進む。

ユーコンが広すぎて、あるいは水の流れ自体が大きすぎて気づいていなかった。
倒木にぶつかれば転覆、下手すれば死。危なかったとしか言いようがない。

アメリカのカヤッカー


進行方向で土砂降り

中州地帯を抜けて行った。夕方、2艇のポリ艇が川を遡ろうとしていた。近づいて挨拶。2人はアメリカ人のジョンとレイで、少し上流のクリークを目指していた。

「そのクリークは少し上流で見たよ。でもこの流れじゃ大変だと思うよ」
「そうか。じゃあ今日は諦めるしかないね。ムースなんかの野生動物が見られるかもって期待したんだ」

ジョンはライターでありカメラマンだという。しばらく一緒に漕いで別れた。

キャンプ地で酸欠!

また土砂降りになった。小雨になった頃に上陸。支流との合流地点にある湿地だが、テントが張れそうな一段高い場所があった。焚き火の跡にも安心させられた。

タープを張り、焚き火を起こそうとしたが、なかなか火が付かなかった。息を吹きかけて火を育てようとするのだが、途中でどうしても消えてしまった。

湿地帯なので体はドロドロになり、1日漕いだ後で疲れもピーク。息を吹きかけていると目の前が暗くなり、前に倒れそうになった。

よく薪を観察してみると、一時はかなりの熱量があったのに全く燃えていない。おそらくこれは日本でいうナナカマドのような木なんだろうと思った。ナナカマドは7回かまどに入れても燃えない、という語源なのだという。実際、樹皮の感じなどよく似ているように思う。

薪を変えたら、あっという間に火が付いた。

ピザ完成

昼に仕込んだピザ生地が上手く発酵していたので、チーズやマッシュルームを入れて包み焼きにした。
あまりに上手くできたので天才ではないかと思った。夢中で頬張った。
遠くをジョンとレイが通過していった。

ホワイトフィッシュとビーバー

目の前の支流でドボンと魚が跳ねる音がした。浅瀬の上の駆け上がりだ。
ベイトリールなのでスピナーに大きいガン玉を打って投げると、一発で食いついた。
約50センチのシーフィッシュだった。

「雨上がり」「瀬の上の駆け上がり」がこのユーコン旅で2匹のシーフィッシュが釣れた条件だ。

午後11時、日がだいぶ傾いてきた。
水面でまた音がした。また慌てて竿をつかんだが、音がドボーンという音でなんだか様子が違う。魚ならば超大物だ。
水面を観察してみるとそれはビーバーだった。十メートル少々泳ぐと、尾で水面を叩いて水流に潜るのだった。

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