パックラフトの弱点

風に弱い。

パックラフトは軽く、
その割に体積が大きいので、
風には弱いです。

ですのでフラットな川や湖での向かい風はとても辛いです。
水に浮いたビーチボールが
風でつつーっと走っていく様子を想像できるでしょうか?
あれと同じ原理です。

動画はタスマン湖とブラー川で向かい風と戦っている時のものです。
少しでも風に対抗できるよう、
上半身を前傾して空気抵抗を減らすしてこいでいます。
そして漕ぐのやめたら、風に押し戻されます。

ホールに弱い。波には強い。

パックラフトは安定性が高いため、
ちょっとやそっとの波ではバランスを失いません。

しかし重量が軽いせいか、
瀬にあるバックウォッシュには捕まりやすいです。
逆にバックウォッシュがなければ、
横波がらみの高い波でも安定して乗り越えられます。

後半はフルヌイ川の瀬で、
最後の小さなホールでバランスを崩します。
ポリ艇ならなんてことない場所なのですが、
不意に捕まりそうになりました。
スタン(舟の後部)が流れに引き込まれる感じです。

動画の最後はブラー川の3
級の瀬にあるウェーブを越えています。
波は壁のように感じましたが、
沈の不安はゼロでした。

そんなこともあるので、
瀬ではホールを避けながら下るのがいいです。
ホールの脇を選んでいけば、
それほどスラロームしなくても下れるはずです。

スプレーデッキかセルフベイラーは「必須」

流水を行く場合、艇内への水の侵入をふせぐスプレーデッキか、
侵入した水を外へ逃すセルフベイラーは必須です。

小さな瀬や波でも水は結構かぶりますので、
どちらかがなければ難易度が低い川でも頻繁に水抜きをしないといけません。
快調に下っている時に舟から降りたり乗ったりするのはめんどくさいですよ。

以上から、僕はスプレーデッキもセルフベイラーもない
静水用のパックラフトはおすすめできません。

2019.2.23追記
モンベルのホームページから静水用パックラフトが消えて、スプレーとセルフベイラーのみになっていました。
この時、パックラフトを割引してくれたモンベルさんには「静水用はあまり意味ないですよ」と伝えておいたので、少しでも参考にしていただけたのなら嬉しい。