ニュージーランド最終日にヨットで漂流した。

日本に帰国して1ヶ月が経ちました。
パソコンを触っているとNZを去る直前の写真が出てきました。
バタバタしていたので忘れていました。
オークランドで男3人、ヨットでの2日間漂流した時の写真です。

それは友人の友人との出来事

オークランドで滞在したのは友人の友人、マイクとエドの夫婦。
旦那はスキンヘッド&サングラスのバイクライダー、奥さんはタトゥー&ピアスのクラフトビールメーカー社員であり、数言ごとに”Fxxkin”と口をつく系キウイです。
ですが、人間的にはとても暖かい人たちでした。
以前、一度会ったことがあって、その時に「うちに泊まれ」と誘われていたのでした。

過去のプチ漂流体験。「ガハハ、それはひどい体験だ」と男は笑った。

滞在2日目(ニュージーランド出国前々日)。その男、マイクは「友人のヨットを管理してるんだ。セーリングに行こうか」と誘ってくれました。
帆の街オークランドでセーリングしてからニュージーランドを去る。なんて素敵なプランでしょうか。
僕は「ぜひぜひ!」と答、ニュージーランドでのセーリングの思い出を語りました。

「過去に一度だけヨットに乗った経験があって、それもニュージーランドだったんだ。高校生の時、ホストファザーが小さなヨットでセーリングに連れて行ってくれて。でもヨットのエンジンが壊れてて、しかも風もなく、潮で沖に流されてしまったんだ。しょうがないから積んであったオールで漕いだんだけど、ほとんど進まなくて、ヨットで寝ることを覚悟したよ。でも通りがかりのヨットが助けてくれて、港まで曳航してくれた」

マイクは大笑いしながら「ガハハ、それはひどい体験だ」と言いました。しかし、それを凌ぐ体験が待っていようとは。

海へ

近くに住むマイクの友人マイク(ややこしい)を誘って、3人で海へ。
マイクは友人マイクに電話したとき、「特に準備はいらないよ。温かい格好だけしてきな」と言っていたのですが、友人マイクの格好はこれ。それは絶対に違う。

ヨットは中にキッチンもトイレもあって古いけど立派なものでした。

ハーバーブリッジ近くの停泊場所でアンカーをあげ、いざ出港!
マイクはかつてヨットレースに出ていたほどのベテラン。帆を張り、セーリングの技術を少しずつ教わります。

ほぼ向かい風でしたが、タッキングという技術を使ってヨットをジグザグに進めていきます。
風を受けて進むヨット!爽快!

ガソリンがない!

出港し数時間が経った後、ヨットをがざごそやっていたマイクがポツリと言いました。

「ガソリンが思ったよりないな」

ええー!なんでみんなヨットのエンジンに問題あるの!?高校時代の悪夢が蘇ります。

少し時間が経つと、気分が悪くなってきました。軽度の船酔い。まじか。

そして追い討ちをかけるように
「風も悪くなってきたな。しょうがないあの島の陰で今晩は泊まろう」

まじか。

狭い船内。食料はほんの少しのナシゴレン

日もすっかりと落ちた頃、やっと風裏となる島の陰に到着し、アンカーを下ろしました。

「よし、飯だ」と取り出したのは、昨晩とったテイクアウトのあまり、ナシゴレン。
ビールは飲み干し、飲み物はジンしか残っていない。海賊かよ。

翌朝は午前4時に起きて帰路につこうという話になりました。
マイクも明日は仕事があったのです。

狭い船内。船長のマイクはキッチン手前の広いソファ、その向かいに寝ることに。
僕は船首近くのスペースでそこそこ広いのですが、トイレの隣でなんだかくさいという。

船酔いの気分の悪さもあり、寝れるか不安でしたが、すんなりと爆睡。

夜明けのオークランド湾をいく

翌朝、予定通り4時に起床。
まだ暗闇の中で帆を張り、港を目指します。
そよ風ですが良い方向で風が吹き、次第に朝日染まる海面を割っていきます。

「あの岬の方向を目指して」
僕は舵を握り、マイクの指示する方向に進みます。このまますぐに港に着くのでは。そんな気がしていたのですがそう上手くはいきませんでした。

午前8時。
「あれ、潮の時間、見誤っていた」
マイクがスマホを触りながら言います。
岬の周辺では右から左に流れる潮に乗っていく予定だったのですが、その時間の潮は逆。
「しょうがない。釣りでもして潮が変わるのを待とう。午後には変わるはずだから」

僕はその日のうちに空港に行かねばならず、かなり焦りました。
ちなみにマイクはマイクで、立ち上げた会社の初めての顧客とのアポがその日にあったみたいで、電話で謝っていました。

気休めの釣り…のはずが

失意の中、水中に糸を垂らす僕。
時間潰しと、気休めだけの釣り…
かと思っていたのですが初めて早々。
「かかったぜ」とマイク。

「え。うそだろ??」と半信半疑の中、浮かび上がってきたのは40センチ近いタイでした。
僕の竿にも反応が。
針が大きいのでなかなかフッキングしないのですが、結局、キーパーサイズ2匹、リリースサイズ5匹くらい釣れました。

こんな時にも、釣れて励ましてくれる。
ニュージーランドのタイ、いいやつ。

結局30時間を超える漂流の旅でした

午後2時、ハーバーブリッジ横のヨット停留場所に到着。
陸上に上がっても、半日は地面が揺れていました。

やれやれ、最後の最後までニュージーランドは試練を用意してくれました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA