世界で一番魚が釣れる場所

 

 

テスリン川を下ります、とフェイスブックに書き込んだところ、ユーコンの大先輩Kさんから情報を頂いた。

「ボズウェルの流れ込みは世界で一番魚が釣れます」

世界一!入れ食いに違いない!

期待が高まる「ボズウェル」

旅の序盤、1〜2日はペースを掴み、距離を稼ぐためにパドリングに集中し、釣りはしなかった。3日目にボズウェル(Boswell river)を通過見込みだったので、最初の釣りはそこでしようと考えた。

ちなみに2日目に差し掛かった リトル川(Little river)の流れ込みでは、小川が直角にテスリン川にぶつかる感じの良い場所で、4人のグループが釣りをしていた。

1人は僕が通過するわずかな間にグレイリングを釣り上げていた。ボズウェルへの僕の期待も高まっていた。

世界で一番釣れる場所、でボウズだった私。

3日目の朝。ボズウェルに上陸。

ボズウェル前の本流はかなり急流だった。流れ込んでいる支流の水量もそこそこあり、結構コントラストの強い流れが形成されていて、大き目のエディがあった。

スピナーをつけて数投、本流をチェック。反応はないし、流れが強すぎる。正解な気がしない。
やはり本命はエディだ。ここは世界で一番釣れる場所。1、2投で反応があるに違いない。

少し向こうにキャストし、エディの中を通過させる。反応なし。もう1投。反応なし。

ん、このエディのじゃないのか?
もう1ヶ所のエディをチェック。ダメだ、釣れない。

直感が「何か違う」と感じた。
そして僕は、ものの10数投でボズウェルの釣りを切り上げてしまった。

Kさんにはこういうつもりだった。
「9月のテスリンは水量が少ないせいか、ボズウェルは本流がちょっとした瀬になっていました。流れが強くて釣りにくかった。たぶん夏とは状況が違うんでしょうね」

ボズウェルがよく釣れる、は本当だった。

ところが、である。
翌日、ホワイトホースの高校生とキャンプした時、1人の教師にそれまでの行程について訪ねてみた。
前日はボズウェルに泊まったという。

「昨日は釣りをしたわ。グレイリングがたくさん釣れた。だいたい流れ込みがある場所は釣れるけど、ボズウェルはいつでも釣れる(Boswell is always good)わ」。

ガイドのティモシーも言う。
「釣りの仕方知ってる?流れ込みのところにできる渦にルアーを入れるんだ」。

なんてこった!結局、僕の釣りが下手だったのと、諦めが早すぎたのが原因だったようだ。

結局、今回の旅で僕はグレイリングの顔をみることはなかった。

入れ食いのはずだったボズウェルの流れ込み

パイクでリベンジ

翌日、フータリンワでキャンプ。

フータリンワはユーコンとテスリンが合流した直後の広い淀みで、水草が点在している。
「フータリンワではパイクがよく釣れる」というのはユーコンをよく知る人ではもはや定説だ。

カヌーにのったまま、バイブレーションプラグを投げた。
2投目、水草の縁を通った時にさっそく魚が掛かったが、鱗だけ残して逃げられた。

これは期待できそうだ、と思ったが後が続かない。
ただ一度、ルアーにゴミが絡み、水面から跳ね上がった時に反応があったた。もしかすると水面がいいのかもしれないと思った。

雨が強くなったため、一度上陸。
テントなどの設営をしてから、キャンプ地の目の前でルアーを投げた。
今度は2本のプロペラがついたトップウォータープラグだ。

中学生の時、ラッキークラフトというルアーメーカーの会員特典か何かでもらったと記憶している。
当時の他の多くの中学生と同様、僕はブラックバス用釣りにはまっていた。もちろん、生涯5匹のブラックバスしか釣ったことない僕の腕では、そのルアーが活躍することはなかった。

広い場所なので、とりあえず遠くに投げた。
水面はとても落ち着いていた。

竿を立てて巻くと、プロペラがいい具合に回って、引き波を作った。ガチャガチャと心地よい音もたてた。

1投目でいきなり、パイクが「ばこんっ」と水面を割った。残念ながらかからず。
間違いなくもう一度食ってくると確信しての2投目。

またばこんと水面が割れ、今度は一呼吸置いてから合わせる。
竿からしっかりと重みが伝わり、魚のうねりを感じた。

慎重に寄せて、確保!
推定50センチのノーザンパイク!

クマに気を使いながら魚をさばく

今回、プライヤーを持ってきていなかった。
歯の鋭い生きたままのパイクの口に手を近づけるのは危険なので、エラからナイフを入れてまずは締める。尾にも切れ目を入れて、血抜きした。

ユーコンの自治体が発行している小冊子「How can you stay safe in bear country」には釣った魚の処理についてこう書かれている。

「Clean your catch at the shoreline or at home, not at camp. Put the guts in fast moving water.」(魚の処理は水辺、もしくは家でやること。キャンプ場所ではやらないこと。内臓は流れが強いところで流しましょう。筆者訳)

流れのある場所に移動して3枚に下ろした。
となりで高校生グループの少年が1匹かけたが、足元でバラしてしまった。

処理を終え、まだ釣れていない高校生たちを横目に釣りを再開。
また2投目に水面のルアーが吸い込まれた。

魚が食いつくのが見える興奮。トップウォーターって面白い!
結局4投で2匹の釣果。
俺だって釣れるんだぜ。

フータリンワはキャンプ地の目の前でパイクが釣れる。

効率のよいパイク釣りについて考える

のちに高校生たちも2匹のパイクを釣り上げた。ルアーはスピナー。
釣れるまでの効率という点において、僕と彼らで差がでたのはやはりルアーはだと思う。

昨年、カヌーピープルのスコットがパイクについて「ルアーの種類や大小は関係ない。あいつらはいつも腹ペコだ」と言っていたとおり、いれば高い確率で食ってくる魚がなのだと思う。

となると、効率よく釣るには早くルアーをパイクに見つけてもらうことが重要なのだと思う。

今回使ったトップウォータープラグは重くて遠投が効いたし、プロペラが音も引き波も作ってくれてなんとも騒がしいやつだった。

昨年パイクを釣ったルアーも、水面は10センチくらいを泳ぐジョイントプラグで、尻尾にはプロペラがついていた。
目立ったもの勝ちである。

何かに引っ掛けてなくす心配もないし、魚のバイトも見えて興奮するしで、パイク釣りにはトップウォーターは本当にいいなあと思った。

今回の釣り道具について

今回と、今後の旅のために買ったショアガンエボルブSFSGS-86ML/P5は、現地に持って行って初めて使ったけれど、とても感じのいい竿がだった。ルアーも投げやすいし、50センチくらいのパイクなら楽しみながら自然に寄せてこれる感じ。

ただ、5ピースのロッドなので、振り出し式に比べると準備に時間がかかる。
振り出し式なら、釣りをしない時でもルアーをつけたままで短くすることができる。
カヤック旅のためにロッドを買うなら、振り出し式がオススメ。

また、シーバスなどを想定して作られたショアガンエボルブは素晴らしい竿だったが、グレイリング用の軽いルアーには少し強い。(釣れなかったやつが言うな!)

ブラックバス用くらいのパワーが、グレイリングとパイクにはちょうどいいと思う。

 

 

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