#8 Waikato river 川を下って温泉へ行く

12年ぶりのタウポ

パックラフトの旅は終えて日本に帰る予定が、
航空券の関係で北島に1週間ほど滞在することになった。
大都市オークランドにいては気が滅入ってしまいそうなので、
地方に行くことに。
12年前の高校時代、初めてのバックパッキングで訪れたタウポを選んだ。

旅に憧れていた高校時代、
留学エージョントさんにも手助けしてもらっての1人旅だった。
そのことをタウポのインフォメーションセンターの人に話したら、
「高校生の一人旅は今はもう無理だろうねえ。安全の問題が多すぎるわ」
とのことだった。

それはさておき、
バックパックを担いでタウポにやってきた高校生の僕。
格安のカヌーツアーに参加してワイカト川を下った。
ツーリングは素晴らしかった。
透明な水、森に囲まれ蛇行する美しい景観、なだらかな川。

だがそれ以上によかったのは川辺に温泉があったことだ。
自然の温泉が流れ込んでいて、バックパッカーの溜まり場のようになっていた。
その自由な雰囲気がよかった。

記憶では3日ほど滞在したと思うが、
僕はその温泉にほぼ毎日通って、川を眺めてのんびりした。

あの温泉にまた行きたい。そう思ってタウポを再訪することに決めた。

1時間弱のプチツーリング。温泉は相変わらず素晴らしかった。

ワイカト川はタウポのほぼ中心部から流れている。
幹線道路が通る橋の辺りに公園があるので、そこでパックラフトを膨らませた。

川に至るまで数メートルのブッシュがあった。
多少強引に突破。
しかしかなり固い植物のトゲに擦られてしまい、
その後、漕ぎながら若干空気漏れを起こしてしまった。

ワイカト川のこの部分は水量が多く、ほとんど瀬がない穏やかな川だ。
とはいえ、この数キロの部分の話であり、すぐ下流にはこの水を全て集積して吐き出すフカ滝があるのだが。
絶対にそこには行かぬよう。死ぬよ。

(写真)フカ滝。決してここまで行かないように!

タウポバンジーがある巨大な岩壁を通過し、森に囲まれたエリアを行った。
北島の川は南島とはやはり様相が違うように感じる。具体的には周辺の植物だ。
なんとなくだが、マオリの模様に象徴されるシダ系植物の存在感を強く感じた。

スタートから1時間も経たずして温泉に着いた。
この川辺の温泉は2つの支流で流れ込んでいる。
片方は2段の湯船になっているのだが、
この日は湖直下の堰からの放水量が多く、上の段近くまで水があった。

12年前と同じく、この日もバックパッカーで溢れていた。
湯も相変わらずいいお湯で、のんびり過ごした。

そこから数百メートル下ると左側にキャンプ場がある。
タウポまでバスで行き、ワイカト川を降って温泉に入り、
キャンプ場でテントを張って宿泊。
そんな旅もいいかもしれない。