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Bennet to Bering(ベネット湖からベーリング海へ)は、アメリカ人写真家、John Van Berringerが主催するユーコン川3000キロの漕破プロジェクトです。
ユーコン川のほぼ全行程を約3ヶ月で下り、その様子を撮影してドキュメンタリー番組にします。
僕はカメラマン兼出演者として参加します。旅は6月上旬に始まり、8月下旬にゴールする予定です。
プロジェクト全体のホームページ:
http://yukonjourney.org
プロジェクトに参加する理由
ユーコンの美しい映像を日本に。
僕とジョンは2016年、ユーコン川に浮かぶカヌーの上で出会いました。彼は写真家、僕は新聞記者を辞めたばかり。職種が似ていたせいか、気が通じるものがありました。それから2日間、川の上で抜きつ抜かれつの旅をしてゴールして、パブで祝杯を上げた。そんな仲です。
プロジェクトへの誘いをメールで受けとったのがその3ヶ月後のことになります。
僕は幼少期、NHKの「生きもの地球紀行」が大好きでした。理由は、その映像が圧倒的に美しく感動的だったからです。とりわけ動物にカメラを向けてファインダーを覗くカメラマンの姿に憧れました。
そんな僕にとってプロジェクト参加への誘いは「夢が向こうから近づいてきた!」という感じでした。
ユーコンは、日本の暮らしからは想像がつかないほどの広大な原野が広がり、手つかずの自然が残る貴重な場所です。この美しい荒野の映像を日本の皆さんに伝えたいと思っています。
プロジェクトの目的
ドキュメンタリーの収益で「First Responder」を支援する。
ジョンが企画するプロジェクト本体の目的は「First Responder」(第一行動者)の支援にあります。
日本人には耳馴染みのない言葉ですが、林野火災、あるいは行方不明者の発生などの災害が荒野で起こった時に即応する消防士やレスキューのことを指します。
ジョンは2013年、ユーコン川を下っていた時に大規模な林野火災に直面します。多くの住民が住むカーマックスの近郊で発生したもので、19060haもの山林が消失しました。(参考:山手線の内側が6300ha)
しかし幸いにも、消防士らの活動によって街に被害が出ることはありませんでした。この年、ユーコンでは約40カ所で林野火災が発生し、多くの自然が消失しました。また同年にはアリゾナ州で19人の消防士が活動中に死亡する林野火災が発生しています。
大規模な林野火災とそれに命をかけて対応する消防士と直面したジョンは、彼らをサポートするために活動したいと思うようになります。このプロジェクトでは製作したドキュメンタリーを販売し、そうした収益を「First Responder」の支援に充てることが目的です。
北米の林野火災は地球温暖化に関連しているともされています。
僕はユーコンには失われるには惜しすぎる自然があると感じています。そのためにも、消防士らの支援を通じてユーコンの自然を守ることには大きな意義を感じています。
最後に
僕は中学生の頃から、吉野川可動堰の市民運動で活動された方々や、カヌーイストの野田知佑さんにお世話になってきました。そんな自分が、海外で川に関する映像製作に関われることは大きな喜びです。
今回のプロジェクトでは、人と川の関わりを考えさせるヒントのようなものが提示できればいいなと思っています。また吉野川で出会った川ガキたちには、一緒にキャンプしたお兄さんが海外でカメラ片手に奮闘している姿に、夢を持つ勇気を感じてもらえれば幸いです。