アウトドア、災害などの厳しい状況で生き残るのに、必要は要素は「水、火、シェルター」だと言います。
キャンプをシンプルに分解していくと、確かに必須の物品はこれらに集約されていることに気がつきます。
その「水」ですが、いくら目の前に水があっても、それを飲むことができない、という状況が存在します。
例えば泥水。ユーコンでもホワイトリバー合流以降ではコーヒー牛乳のような色ですし、洪水後の水もものすごく多くの泥を含んでいます。
そんなことから、携帯用の浄水器はアウトドアや災害において、ひいては生活において必須のツールになっていると思います。
この記事では、僕が3年間利用している携帯用浄水器”ソーヤーミニ”の利点をお伝えします。
1 フィルターの洗浄が簡単
これは見過ごされがちですが、とても重要な問題です。浄水器のフィルターは使用するにつれて不純物が溜まり、水の出が悪くなります。フィルターを清掃すると、水の出が格段に良くなるということは、一度使用してみるとよくわかると思います。
フィルターの清掃には綺麗な水が必要です。しかし、思い出してください。携帯浄水器を使うのは、綺麗な水がない地域です。そのため、浄水器を通して作った貴重な水を使ってフィルターを清掃することになりますが、この過程が複雑だったり、大量の水が必要だったりすると、不便さはぐんと上がります。
ソーヤーもフィルターの清掃には綺麗な水が必要ですが、付属の注射器を使って水を逆流するだけ。10秒で終わります。
(逆流させると、フィルター側からは濁った水が出てきますので、フィルターが効いていることを実感します。)
2 軽量でコンパクト
ソーヤーは手の平に乗るほどのサイズしかありません。
どんなときも、気軽にバックパックに放り込めます。
登山でも、カヌーツーリングでも、不要な重量は少しでも減らしたいところです。あまり考えたことがないかもしれませんが、カヌーやカヤックも重量が減るだけでスピードが格段に違います。
特に災害時ですが、必要な時に持っていなければ意味がありません。
非常用持ち出し袋には、スペースも限られていると思います。
2018年のユーコンで、僕らのチームはKATADYNのBASE CAMP PROという製品を使いました。袋に10Lの水を入れて吊り下げ、重力でフィルターを通して水を浄化するという、大人数のキャンプでは大変便利な製品だったのですが、ドーソン以降の泥水の地域では、フィルターがあまりにも早く詰まってしまうという問題がありました。
そこで、僕らはバケツを持参し、一晩かけてミョウバンで泥を沈めるという方法をとっていたのですが、浄水器、バケツ、ミョウバン、ホース(サイフォン用)と、道具がたくさん必要な上に、手順も複雑でした。
ソーヤーならフィルター、パウチ、掃除用の注射器、これだけです。
浄水スピードは他製品に劣る場合があるかもしれませんが、生きるのに必要な水は確実に確保できるので、不要なスペースや重量は減らすことができます。
※ちなみにパウチの口はペットボトルと同じ径なので、いざとなればペットボトルにも装着できます。
3 高性能
性能については、私からは「北米の1〜2週間の川旅、計3回分の期間、このフィルターを使って泥水をろ過して飲んだけれど、一度もお腹を壊してはしていない」という情報しかお伝えできません。
ですので、主に同社のPRビデオの情報をいくつかまとめます。
・0.1ミクロンの無数の穴が空いており、同サイズの浄水器では最高レベル。
・有害なバクテリアや微生物は除去可能だが、水に溶けている化学物質やウィルスは除去できない。しかし有害なウィルスが溶け込んだ水が検出される地域は稀。
ソーヤーは自信を持っておすすめできる携帯浄水器です。