コロナウィルス感染症の影響で、宿泊者にシュラフの持参を呼びかける山小屋が増えています。
私が務める剣山頂上ヒュッテもそう。
しかし、シュラフに親しみのない人にはどれを選んでいいかちんぷんかんぷんなはず。
実際、モンベルの店員さんによると、「小屋泊によいのはどれ」という質問も増えているのだそう。
モンベルの友人にそれぞれの特徴を聞き、僕の主観も交えておすすめをピックアップしてみました。
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モンベルのスリーピングバッグの比較表
まず、モンベルの寝袋のデータを、全てではありませんが、比較表に落とし込んでみました。
うちの小屋の条件である「四国の標高2000m」を想定して、黄色は「春夏秋はOK」、水色は「夏ならOK」、茶色は「重量が重すぎ」で色を塗っています。
素材 | 快適温度 | 重量 | 収納 | 価格 | |
アルパインダウンハガー800 #3 | ダウン | 6度 | 528g | 3.0L | ¥28,000+税 |
ダウンハガー800 #3 | ダウン | 4度 | 573g | 3.8L | ¥30,000 +税 |
ダウンハガー650 #3 | ダウン | 3度 | 695g | 4.7L | ¥23,500 +税 |
アルパインバロウバッグ #3 | 化繊 | 7度 | 980g | 6.2L | ¥13,000 +税 |
バロウバッグ #3 | 化繊 | 6度 | 1050g | 7.3L | ¥14,500 +税 |
アルパインダウンハガー800 #5 | ダウン | 9度 | 419g | 2.4L | ¥24,000 +税 |
ダウンハガー800 #5 | ダウン | 8度 | 439g | 2.4L | ¥26,000 +税 |
ダウンハガー650 #5 | ダウン | 8度 | 575g | 3.8L | ¥20,000 +税 |
アルパインバロウバッグ #5 | 化繊 | 10度 | 810g | 5.1L | ¥12,000 +税 |
ファミリーバッグ #1 | ポリエステル | -1度〜 | 1560g | 35.3L | ¥13,500 +税 |
「800」「650」といった数字は、ダウンの量で多いほど多くなっています。
「アルパインダウンハガー800」と「ダウンハガー800」と似た名前の商品がありますが、「アルパイン」の方が価格が安く、しかも軽くなっています。
その代わり「アルパイン」ではない方がやや温かく、また寝心地もよくなっています。
「アルピニストなら多少の寒さや寝心地は我慢しても重量を減らしたいだろう!」っていう感じでしょうか。
一番下のファミリーバッグ#1は、昨年までヒュッテの備品として使っていて、スタッフの一部が日常的に寝ているものです。温かく快適ですが、背負って登山するにはちょっと大きすぎですね!
お金をかけていいなら!ダウンハガー800 #3 ¥30,000 +税
ダウンハガー800 #3は、快適温度が4度と春秋でも使えて、重量も軽い、バランスの取れたモデルです。
一方で、値段は最も高い3万円。この値段を許容できるかです。
120gほど重くなり、収納サイズが大きくなっても、「温かさに余裕を持たせたい」「値段を安くしたい」というのであればダウンハガー650 #3が選択肢です。1度温かくなり、6500円安くなります。
ちなみにどちらにしろ、僕は#5と#3なら、「#3」を選びます。長年使っていますが、夏から秋のやや寒い季節まで幅広く対応してくれます。
また、寝袋は値段が張りますが、1度買えば長く使えます。僕のモンベルの#3は15年くらい使っていますが、まだバリバリの現役です。普段使わなくても、災害用持ち出し袋などに入れておくと役に立ちます。
夏にしか使わないなら、ダウンハガー650 #5 ¥20,000 +税
夏にしか使わないのなら、#5の寝袋で大丈夫です。
ダウンハガー650 #5は前述の「ダウンハガー800 #3」とほぼ同じサイズと重さで、価格は1万円安くなって2万円になっています。
ただし、快適温度は8度〜と夏向け、剣山で言えば6月中旬〜9月というイメージです。9月は下旬となると、ふいに3度くらいまで下がる日が出てくるから注意が必要です。
800の#5にすれば、かなり軽くてコンパクトですが、26000円になりますね。
重くてかさ張っても努力でカバー!ならバロウバッグもあり。#3 ¥14,500 +税
バロウバッグ#3なら、値段は14500円まで下がります。
ですが、ダウンハガー800 #3と比べて倍近い重さになり、倍以上の大きさになり、寒さには2度弱くなります。
とはいえ、剣山でリフトを使うといった登山でしたら、多少重い荷物を背負って汗をかいてもいいのではないかと思います。
ハイキングくらいの山登りであれば、バロウバッグも十分選択肢です。
お店で実際に触れてみるのが一番!
ここまで、個人的なおすすめを書いてみましたが、使う時期も行く山も登山の頻度もみなさん様々でしょうから、実際に店頭で触れたり、店員さんに聞いてみるのが一番です。
僕が知っているモンベルの店員さんはみんなとても親切(でおしゃべりが大好き)です。
ぜひ店頭で手にとって、自分にあったものを見つけてみてください。