ここで紹介するのは、今回の「テスリン〜ユーコン」の旅に持っていったもので、無駄だった道具はほとんどなかった。
これ以上荷物を減らせるとしたら?(カヌーピープルの受付のお姉さんには「荷物多いわね」と言われたことだし)
あまり思い浮かばないけれど、椅子を我慢するとか、コンロを固形燃料にするとかだろうか。
住関係
- テント(macpac, macro light)タープ(Rab, Guides SilTarp2)
- シュラフ(Mont-bell, ultra light dawn hugger #3)廃盤
- マットレス(Nemo, Tenser to 20R)
- 椅子(Helinox, Ground chair)
- 1〜2.5mの5本のパラコード ※少なかった。次回は8本くらいにする。
雨のキャンプでは、タープなしでは相当な不便を強いられる。熊対策のため、テント内で食事ができないからだ。去年ユーコンで出会った日本人の友人はタープがなく、雨の中で立ってラーメンをすすったという。
テントはニュージーランドで購入したマクロライト。
軽くて広くて快適だが、設営にペグをたくさん使うので設営場所を選ぶ。
ユーコンのキャンプでは地面がしっかりしているので活躍する。
折りたたみ椅子は減らせるものでもある。
だけれど、あればキャンプが文化的になるというのは、野田知佑さんも書いているところ。
疲れていても椅子に座れば心が落ち着く、というメリットもある。
調理道具
- 水筒(Klean kanteen)
- タッパー(ジップロック)
- 浄水器(ソーヤーミニ)
- ハイドレーション(CAMELBAK)
- 鍋(MSR)
- コンロ(Soto, MUKAストーブ)
- コーヒーフィルター(MSR, マグメイトコーヒーフィルター)
- プラスチック製ゴールドパン
- まな板
- マッチ
- 焚き火調理台
今回は弁当箱として活躍した。
浄水器のソーヤーミニはフル活用した。パドリング中の水分補給はソーヤーミニを使って直接川から飲んだ。
今回水はペットボトル入りのを3リットルほど現地で購入したが、4日くらいで尽きた。なので終盤は川の水をソーヤーミニでろ過した。
ただ、このように調理用などの水を本格的に作るならソーヤーミニは少し効率が悪い。一回り大きな浄水器のでもいいと思う。
複雑な調理をするわけではないので焚き火で調理する時もあった。
なのでコンロはエスビットなどの固形燃料にしてもよかったかもしれない。
焚き火調理代は写真中央のまな板の上にあるもの。
昨年は現地で購入。便利だけど、バッグへの収まりが悪い。
マッチは”Storm proof”という強力なやつを一箱、現地で購入。
26本入り。失敗すると、残り本数が気になったが、最終的には6、7本余った。
万が一のためにライターは持って置いた方がいい。
ゴールドパンはプラスチックの安いやつで、皿になるだろうしと持っていったが結局使わず。
食品、調味料
(日本から)
- 米
- 油(亜麻仁油、MCTオイル)
- 塩
- 砂糖
- 中華スープ
- 濃口醤油
- 栄養補助(ユーグレナ抹茶味)
(現地購入)
- キヌア 一袋(サイズは忘れてしまった)
- 卵 12個入り
- アボカド 10個
- じゃがいも 大3つ
- ベーコン 375グラム
- バター 454グラム
- サーロインステーキ 1枚
- サーモンマリネ 1匹の約4〜6分の1の大きさ
かなりよい計算だったと思う。
ただし、隣のキャンパーからおすそ分けと、釣果(パイク2匹)があってのことなので、実際は少しでも少なかったかもしれない。
おすそ分けは仲良くなった高校生グループからで、余ったサラダなどをジップロックいっぱいにくれた。酢が入っていたので、数日保管もきいた。デザートのブラウニーもいただいたがうまかった!
生物の牛肉は出発直後に油に浸け、サーモンはキャンプ中に煙で燻した(ほとんど焼き魚になったけど)。
また生の食品(肉、釣ったパイクの切り身、ベーコンや余ったサラダなど)は一度開封したらジップロックに入れ、水に浸けて空気を抜くことを心がけた(中には水が入らないようにね!)。
これはニュージーランドの釣り船の船員が、客に切り身を配るときにやっていたことで参考にした。(ニュージーランドのキングフィッシュの釣り船では、釣れた魚を切り身にして客で均等に分ける)
MCTオイルはエネルギーに直結する脂肪だという。
0.5Lのナルゲンボトルにいれた。MCTオイルは長時間プラスチックに触れると変形させるとされるが、今のところナルゲンには異常はなし。
ユーグレナはポイントサイトでほぼ100パーセントの還元だったので、この機会に購入してみた。飲みやすかったし、野菜不足であったのでよい栄養補給だったと思う。
あとはオメガ3を補う亜麻仁油。
米は税関でしっかり申告。没収はされず。
調味料は塩、砂糖、醤油、スープの素と最小限に抑えた。
スープの素はとても役にたった!
お湯を沸かしてスープの素や冷や飯、サラダ、ベーコン、バターなどを入れれば、あっという間に栄養たっぷりで美味しいスープのできあがり!
刃物、釣り道具など
- スコップ(コールドスチール,スペシャルフォースシャベル)
- のこぎり(シルキー,ゴム太郎)
- ナイフ(Gerber, ゲイターフォールダー)
- 釣竿(アングラーズリパブリック, ショアガンエボルブ SFSGS-86ML/P5)
- リール(シマノ,2000番)
- ルアー(バイブレーションプラグ、トップウォータープラグ、重めのスピナー、スプーン)
シルキーののこぎりは僕にとっては最必須。
長時間の焚き火には大量の薪が必要だ。切れ味するどく優秀なノコギリがあれば、作業時間を大幅に減らせる。
ガーバーのゲーターフォールダーは普段からキャンプで愛用しているもの。
コンパクトで、よく切れる、しかしパワーは十分という、僕の現状ベストナイフ。
ただ、刃物には怪我の危険がつきまとう。怪我によるリスクは、病院もなく医師も近くにいない荒野では数十倍だろう。実際、ユーコンに何度も通っている友人の医師は、ハサミしか持っていかないという。よく切れるキッチンバサミなら、魚をさばくことだってできるという。使用する時には絶対に手袋を使用すること。
釣竿は昨年と、ルアーとフライの2種類を用意し、どちらでも楽しめた。しかし、今年はルアーのみにした。フライは楽しかったが、習熟するまでにそれなりの時間を要しそうだと思ったからだ。潔く、道具は売ってしまった。
ルアー竿も昨年はベイトリールのバスロッドだったが、今年はシーバスなどに使うパックロッドに変えた。
自分の釣りのスタイルでは、最も汎用性のあるロッドがエギングロッドだった。今後、ユーコン以外の海外でも、1本でかなりをこなせるパックロッドとして、愛用のエギングロッドに近いものを探した結果、ショアガンエボルブに行き着いた。スピナーを投げるには強すぎたが、重りをつければ大丈夫。そつなくこなしてくれた。
この竿については、かつて吉野川でお会いし、魚とりのスキルの高さを見せつけられたライターの藤原祥弘さんが書いているということもあった。この記事に感動したことは大きい。
ルアーは、スピナーがあればグレイリングやシーフィッシュが釣れるし、パイクはルアー(サイズも含め)を選ばない。パイクについてはカヌーピープルのスコットが「ルアーの種類は関係ない。あいつらはいつもお腹をすかせているから」と行っている。
ただし、水が濁った場所で釣るには、それなりのアピール力が必要になると思うので、音を発したり、大きな波動を発するものが有利かもしれない。
ちなみに先の記事で「パイクにはトップがいいのでは」と書いたが、今年行った僕の友人は「トップへの反応はなかった」と話していた。
やはり、万能のものはなく、その状況で良いものを選ぶほかなさそうだ。
以上の道具に加えて、検討するとしたらナタを持っていくかどうかだ。
やはり、キャンプ中の大きな仕事である「薪割り」について、ナイフとスペシャルフォースシャベルでできなくはないが、ナタや斧に比べると効率ははるかに劣る。
ただし、やはり万が一の怪我を考えると、今のシステムでもいいのかなあと思う。(スペシャルフォースシャベルに刃はあるが簡単に人の手が切れるような鋭い刃ではない)
薬、日用品
- 虫除け(昨年現地で購入したもの)
- うがい薬
- 歯磨きセット
- 髭剃り
- コンタクトレンズ
- 手鏡
- 目薬
- バンドエイド(サイズの違うものをいろいろ。キズパワーパッドが多い)
- 痛み止め
- 風邪薬
- ガーゼ
- 虫刺され薬
- リップクリーム
- 正露丸
- 冷却シート
- ガーゼ
- 耳かき
- ウィルダネスウォッシュ(sea to summit)
- ダクトテープ
- 医療用テープ(伸縮、非伸縮)
- スプーン
- ファイヤースターター
- 入れ物(PaagoWarks, キットバッグ)
薬はこれまでに自分が経験した病気で、医師から処方された余りを、効能を再確認した上で選んだ(これは正しくないかもだけど)。
荒野の川を下るのはやはり不安だから、馴染みのある薬を選ぶことは安心という薬にもなる。
テープ類は場面を問わず活躍する。
入れ物のキットバッグは素晴らしい収納力と使いやすさなのだけど、廃盤?
パドリング衣類
- ジャケット(mont-bell,パドリングジャケット)
- パンツ(mont-bell, Goretexの雨具。モデル名不明)
- インナー・トップ(finetrack,アクティブスキン)
- インナー・ボトム(finetrack,アクティブスキン)
- パドリンググローブ(kokatat)
衣類はかなり悩んだ。実際、一つの選択の違いによって出てくる影響は少ないのだと思うけれど、いかんせん選択肢が多い。
一番悩んだのが、パドリング中のウェアをどうするかだ。
昨年は上はアークテリクスの雨具、下は丈夫な漁師ガッパだった。
ほぼ完璧で、大粒の雨の中でも不快にならずやり過ごすことができた。
しかし問題は昨年はカヌーを使い、今年初めてカヤックを使うという点にある。シングルパドルのカヌーを漕いでいると、基本的に袖周りは濡れない。
しかし、ダブルパドルのカヤックを使う場合、片方を上げた時にそこから水が伝って袖口から服に流れ込む。このため、袖口がしっかりと手首に密着して水の侵入を防ぐパドリングジャケットが良いと考えた。
ただ漁師ガッパとぱどジャケを組み合わせてみると、ごわつきが気になって不快度が高そうだった。下もパドリングパンツにしようかと思ったが、脱ぎ履きがめんどくさいので普通の雨具にした。
足元は長靴で。
このスタイルで正解だったと思う。
ちなみに同じくシングルカヤックだったティモシー(高校生グループの教員兼ガイド)は、上下ゴアテックスの雨具、足元は長靴のスタイル。「袖から水は入らないか?」という質問に対しては、入るけど、まあ我慢できるとの回答。
ファイントラックのアクティブスキンは、雨の中のパドリングでも寒さを感じさせずに快適に保ってくれた。
グローブは迷った末の現地購入。朝は冷えたので助かったが、必ずしも必要ではなかったという感想。
キャンプ用衣類
- ジャケット(Patagonia,トレントシェルプルオーバー)
- インナージャケット(Houdini)
- ダウンジャケット(Patagonia,ナノパフジャケット)
- 長袖tシャツ(Patagonia,キャプリーン)
- 半袖Tシャツ(mont-bell,アウトドアチャレンジでいただいたもの。恐らくはウィックロン製)
- ズボン(フェールラーベンのG1000素材のやつ)
- ズボン(ユニクロ,ジョガーパンツ)
- タイツ(ユニクロ,ヒートテック)
- アンダーウェア(icebreaker,3枚)
- 短パン(patagonia,ウェーブフェアラー)
- ニット帽(パタゴニア)
陸上での服装は、日本の11月のキャンプを想定して選択した。
フリースにダウンジャケット、雨具、ヒートテックのタイツがあれば、ある程度どんな寒さでも大丈夫。実際は、朝は氷点下近くまで下がり、寒くはあったが許容範囲だった。
ただし、寝るとき用のニット帽は重要。体温の多くは頭部から奪われる。
話はずれるが、フーディニのインナージャケットは前に来ていたPatagoniaのR2ジャケットが、10年も着たのでついにぼろぼろになってしまい、買い換えたもの。でも思ったより保温性がなくて、また買うならR2ジャケットかなと思っている。
海パンがあるのは決して泳ぐためではなく、ただどんな時でも1枚あれば便利という意味で。寝巻きにもなるし、温泉があれば入ることもできるし。無くて困ったことはあるが、あって困ったことはない。
撮影&電子機器
- タブレット(iPad Pro 10.5インチ)
- カメラ(Fujifilm XT-1 予備バッテリー1本)
- カメラ(GoPro Hero5 Black 予備バッテリー1本)
- 三脚(ゴリラポッドマグネティック)
- ソーラーパネル(Suntactics)
- モバイルバッテリー(Anker)
- モバイルバッテリー(Cheero)
- ヘッドライト用予備乾電池
ツーリング中、電子機器はほとんど使わなかった。音楽もラジオの音源も聞かなかった。キャンプ中にiPadのキンドルで本を読んだくらい。
ゴープロはやっぱり、静止画を撮るにも動画を撮るにも便利。特に今回みたいに雨が多いときには。
XT−1ではオーロラを狙いたかったが、残念ながらみることができなかった。
やはり絵の美しさでいえば、静止画はゴープロよりXTー1。
ゴリラポッドマグネティックを両方のカメラで使えるよう、ゴープロの雲台は三脚対応のものに変えている。
モバイルバッテリーは10000mAhを2つ用意したが、ゴープロを充電しただけで、結局一つしか使わず。ソーラーパネルも使わなかった。
その他
- トイレットペーパー
- 手袋(メカニクス オリジナルグローブ)
- ヘッドライト(ブラックダイアモンド ストーム)
- キャンドルランタン
- ジップロック(現地購入)
当たり前だがトイレットペーパーはとても重要。お忘れなく!
手袋は汎用性が高いものをと選んだ。価格が手頃で、ネイビーシールズも使っているというもの。
熱いものを触っても手を守ってくれたが、最終的には熱を受けば場所から穴があいた。
熱いものは触らないこと。
ジップロックは現地で一箱買って、ガンガン使った。便利!
キャンドルランタンは不要。だけれどキャンドル1本持っておくのは悪くない。着火しにくい焚き火の時などは、ろうそくに火をつけて行えば作業がしやすくなる。
防水バッグについて
防水バッグは40リットル、30リットル、10リットルを持って行ったが、現地で20リットル、10リットルを追加購入。追加してよかった。
ちなみに40リットルはシングルカヤックのハッチには大きすぎるので、実際は30リットル弱くらいの機能しか果たさない。