フランスで盗難にあった時に警察に提出する盗難届け。
必要であれば修正ができることがわかりました。
事情聴取が伴うので時間はかかりますが、
正当な方法です。
そもそもなぜ修正が必要だったのか
以前書いたのですが、僕はカバンを盗まれました。
カメラやレンズが入っていて、
あまりにも被害が大きかったのでパニックに。
とにかく急いで被害を届けねばと警察署に向かったのですが、
被害の詳細を書く部分を空白にして提出してしまったのです。
フランスの被害届はタブレット端末で入力するもので、
「カメラ」「パスポート」「現金」
など、被害を選んで、その横に詳細を書くようになっています。
ですが、その詳細欄の日本語の説明が
「詳細に記載(可能な限り)識別番号(IMEI)」
となっており、
識別番号を詳細に記入するんだと思ってしまったんですね。
警察官の方に「番号がわからない」と聞くと
「分からなければ書かなくていい」と言われて、
そのまま空欄で提出。
盗まれた品については、あとで詳細な事情聴取があるんではないかと思って。
でもそれで届け出は終わってしまい、間違いに気づいたのでした。
被害届は保険の携行品損害の申請で重要です。
申請した時、詳細が空欄だったら保険会社はどう思うだろう…。
それを考えると吐きそうになりました。
ヒステリックな女性警官との戦い
これは困ったことになった。
だけれど事情を説明すれば修正をしてくれるだろう。
嘘をつくわけではない、詳細を追加するだけだし。
そう思って、翌日も同じ警察署に向かったのでした。
ホステルからはだいぶ離れているのだけど。
中に入ると、大柄な中年の女性警察官が対応に出てきました。
それに情報を追加するだけだよ?
そもそも、記入するタブレットの日本語の翻訳もちょっとおかしいんだよ。
それに何を書いていいか訪ねても、空欄でいいって言われたんだよ?
でぃす・いず・だん!!!!!!!!!!!!!!!!(語気を荒げて)
じゃあ、これは取り下げて、
新しい被害届を提出するのは…..
(もう終わってんだよおおおおお!)
そう言って、事務所の中に入って行きました。
この間、話し始めてたった1分。
残された若い男性警官が哀れんだ様子で
「アイムソーリー」
と言いました。
なに、あの警察官。
開始20秒でヒステリックになって、ろくに話も聞いてくれませんでした。
敗北感と孤独感でいっぱいでした。
法律も言語も違う国にいることを痛感しました。
とにかくできることをと思って、
クレジットカードの会社に電話をして被害にあった物品を記録に残してらうことにしました。
審査を行うのはクレジットカード会社ではなく保険会社なので、
カード会社の担当者さんにも僕にも、
どれくらいの効果があるかはわかりませんでしたが、
私が喋った事実としてきちんと記録にはとってくれました。
アメックスさん、対応に感謝です。
助けてくれたフランス人
「と、そんなことがあってね」
その夜、僕はホステルのバーで今日あった出来事をしゃべっていました。
相手は前日にホステルの受付で知り合い、ラインを交換していたフランス人のレオ。
ついこの間まで、ワーキングホリデーで日本にいたそうです。
旅先で自分から誰かを飲みに誘うのは珍しいのですが、
僕は孤独に押しつぶされそうになり、彼を飲みに誘ったのでした。
彼は僕に哀れみを示しながら話を聞いてくれていたのですが、ふいに
「僕が警察署に電話して詳細を聞いてあげようか?」
と提案してくれました。
まずは問題の警察署に電話してくれたのですが、なぜか電話に出ず。
「夜だからかな?」と僕は言いましたが、
レオは「いや、警察署は24時間だろ」。
すると次に彼は3430という番号に電話をしました。
彼は「これは警察署の上位機関だ」と説明。
おそらくは、統括するような機関か、相談ダイヤルみたいなものでしょう。
結論はたった15秒の通話で出ました。
「彼らは被害届は修正されるはずだ(modified)と言っているよ」。
ちなみにmodifyというのは「改善のための修正」という英語です。
え、なんで?
現場では、あんなに一瞬で否定されたのに?
「大丈夫だから、明日もう一度行くんだ。
断られても、3430が修正されるべきだと言っていると伝えて。
それでもラチがあかなければ、僕に電話するといい。
代わりに話すから。」
3度目の警察署
レオはああ言ったものの、
前日にあんな風に突き放されたのだから俄かに信じられませんでした。
それに、前日の警察官の理不尽なブチ切れ具合に恐怖も抱いていました。
ですが、行かねばならぬ。
吐きそうになるのをシステマ式高速呼吸で整え、署内へ。
署内はの空気は昨日と違い、たくさんの人が訪れていました。
ちなみに前日と前々日は土日だったのです。
窓口の警察官もちゃんとしている感じで、事務的に次々と来所者をさばいていました。
前日と同じ文言で、「被害届の修正をしたい」と説明。
すると、「わかった、ちょっと待ってて」と
待合の椅子への着席を求められました。
あれ、なんだか昨日とは違う展開。
ちなみに3430のことは言っていません。
待っている間にも続々と盗難にあった人が訪れました。
そのせいか、とても長く待たされました。
ですが、話を聞いてくれるというだけで、
その時間は苦にはなりませんでした。
1時間半くらい待って、やっとおよびの声が。
脇の別室に呼ばれて、昨日とは別の女性の警官が話を聞いてくれました。
その人も英語はあまりできませんでしたが、
短い単語で、重要な点をきちんと確認してくれました。
そうして、無事盗難にあった物品の詳細を追加した修正版の被害届が完成。
印刷したものが渡されました。
よかった!
あとはこの書類でどれくらいの保険がおりるかですが、それはまた別の話です。
ふりかえり
一連の経緯から、被害届の正しい修正(modification)は制度として
あるということがわかりました。
おそらくですが、前日は当番の警察官しかいない週末だったため、
対応されなかったのだと思います。
しかし、冷静に説明しようとする相手に、
できないの一点張りでろくに説明もせず、
しかも数十秒でヒステリックに怒り狂ったあの女性警官の対応は理解できません。
被害者の権利を奪っているわけですから、明らかに問題だったと思います。
ですが、そのことに文句を言っても仕方ありません。
とにかく、3日もかかったけれど、正しい報告書ができて本当に嬉しかった。
被害届は最初から慎重に記入することが最重要ではありますが、
被害直後でパニックの皆さんにはミスもあるかもしれません。
そのような場合には修正もできます。
それによって結果がどれくらい変わるかはわかりませんが、
少しでも安心してもらえたらと思います。
内容のコピーもメールで送られてきたんだけど
これでは不十分なんだ。
修正をさせてほしい。